初めてカーボン・オフセットに取り組む方へ
STEP1:カーボンオフセットの概要を知る
事業とオフセットを組み合わせることで、様々な付加価値を生み出せます。
例えば、下記のようなカーボン・オフセットの事例があります。
製品と組み合わせた事例
オフセット製品
- 製造に伴う排出をオフセットした衣服の販売
- 印刷時の電力消費に伴う排出をオフセットしたプリンタの販売
- 発電時のエネルギー消費に伴う排出をオフセットした電力の販売
クレジット付製品
- 購入者の日常生活に伴う排出をオフセットする量のクレジットを添付した家具の販売
- 来場者の日常生活に伴う排出をオフセットする量のクレジットを添付したライブチケットの販売
サービスと組み合わせた事例
オフセットサービス
- 介護タクシーや福祉施設の運営に伴う排出量をオフセットした
- ガス事業における保安業務、営業・修理・工事業務に伴う排出量の一部をオフセットした
- 路線バスの走行に伴う排出量をご当地クレジットでオフセットし、環境価値の地産地消を実現した
クレジット付サービス
- 宿泊ホテル・旅館においてクレジット付宴会プランを提供。宴会に参加されるお客様一人当たり1kg-CO₂分のクレジットを付与し、宴会開催4時間分の排出量をオフセットする
イベントと組み合わせた事例
会議・イベントのオフセット
- 会場内の消費電力に伴う排出をオフセットしたチャリティーライブの開催
- 会場運営及び出席者の移動・宿泊に伴う排出をオフセットした会議の実施
- 社員とその家族を対象としたオンラインフェスティバルを開催し、参加者移動・オンライン配信・視聴など開催に伴う排出量をオフセットした
STEP2:カーボン・オフセットを決める
実際に、消費者ニーズ調査でこのような結果が出ています。消費者ニーズに関連したフィールドで、オフセット事業を検討してみると良いかもしれません。
オフセット関連の【製品・サービス・イベント】に
おける消費者アンケートの結果(2023年1月時点)
オフセット事業を展開してほしい業界等
オフセットしたいと思う身の回りのCO₂排出は?
出典:令和4年度J-クレジット活性化支援委託業務での調査結果より
初めてカーボン・オフセットに取り組む事業者の例
(交通関連の事業者編)
消費者ニーズ調査の結果から、「交通」に関するオフセットのニーズが高いことがわかりました。
当社ではバスを運営しており、ぜひ事業にJ-クレジットによるカーボン・オフセットを導入したいです。
「何を」カーボン・オフセットしたいですか?
バスの運行に伴う排出量をカーボン・オフセットしたいです。
ちなみに利用者数は把握できるが、複数台のバスの排出量を計算するには手間がかかりそうです。
初めての取組としては「寄付型オフセット」はいかがでしょうか?
例えば・・・
バス利用者数に応じて、「1人利用につき2kg-CO₂をオフセットする」と設定するだけで、利用者数に応じたオフセットができます。
1か月で1,000人の利用があった場合は、
「1,000×2kg-CO₂=2,000kg-CO₂」と計算でき、2トン分のクレジットでオフセットします。
また・・・オフセットする際にはJ-クレジット登録簿システムの「口座を開設し自身で対応する」or「口座を保有しているプロバイダーに依頼する」等の方法があります。
利用人数に応じてクレジット量が決まるのですね。
先月のバス利用者数から、1か月10トンの寄付型オフセットかなと。
登録簿システムの口座はまだ持っていないので、プロバイダーに依頼してみます。オフセットするトン数が決まったら、プロバイダーに見積書を依頼してみます!
カーボン・オフセットが完了したらJ-クレジット制度HPの「イベント掲示板」へ掲載しPRすることも可能です。是非ご検討ください!
STEP3:カーボン・オフセットのモデルを設計
製品・サービス・イベントから該当する取組を選択します。
オフセット対象(何を)やオフセット主体(誰が)を整理しオフセットモデルを設計します。
モデル | オフセット対象 (オフセットされるGHG排出)何を? |
オフセット主体 ("オフセットした"とPRできる人)誰が? |
|
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① | 製品ライフサイクルに係る排出量 |
製造者 |
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サービスのライフサイクルに係る排出量 |
サービス提供者 |
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② | 製品の購入者の日常生活に係る排出量 |
消費者 |
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サービスの購入者やイベント参加者の日常生活に係る排出量 |
利用者 |
||
③ | イベント開催に係る排出量 |
イベント主催者 |
|
④ | イベント参加者の日常生活に係る排出量 |
参加者 |
|
⑤ | ※特定の排出量をオフセットするものではない |
― |
①オフセット製品・オフセットサービスのモデルの場合
オフセット製品・オフセットサービスは、原材料調達~廃棄等に係る排出量をオフセット(全量もしくは一部)することで、事業者は環境に配慮した製品・サービスとしてPRできます。
原材料調達~廃棄までの排出量300kg-CO₂の商品をオフセットした場合の例
-
オフセット対象:製品・サービスの原材料調達~廃棄等のライフサイクルに係る排出量
オフセット主体:製造者/サービス提供者
②クレジット付製品・クレジット付サービスのモデルの場合
クレジット付製品・クレジット付サービスは、製品やサービスをクレジット付で販売し、購入者の日常生活に伴う排出量をオフセットします。
1製品につき、購入者個人の日常生活に伴う排出量の6kg-CO₂をオフセットした場合の例
-
オフセット対象:製品・サービスの購入者やイベント参加者の日常生活に係る排出量
オフセット主体:消費者/利用者
③イベント開催に伴うオフセットのモデルの場合
「イベント開催に伴うオフセット」とは、コンサートやスポーツ大会、国際会議等のイベント主催者等が、その開催に伴って排出される排出量をオフセットすることです。
イベント開催に伴う排出量 300kg-CO₂をオフセットした場合の例
-
オフセット対象:イベント開催に係る排出量
オフセット主体:イベント主催者
④クレジット付イベントの開催のモデルの場合
「クレジット付イベント」とは、例えば参加チケットにクレジットを付けて販売し、チケットを購入したイベント参加者の日常生活に伴う排出量をオフセットすることです。
来場者の日常生活に伴う排出をオフセットする量のクレジットを添付したライブチケットを販売した場合の例
-
オフセット対象:イベント参加者の日常生活に係る排出量
オフセット主体:参加者
⑤寄付型オフセット
事業者は、製品・サービス購入やイベント参加等を通じ資金を集め、その資金でクレジットを購入しオフセットします。消費者は、事業者の寄付型オフセットの取組を通じ環境貢献できる形となります。
オフセット対象:温暖化防止活動の貢献や資金提供のため実施するもの※特定の排出量をオフセットするものではない
オフセット主体:寄付型オフセットは、オフセット主体の設定は行いません